「越境EC輸出事業のさらなる促進に関する公告」
2024年6月12日、中国税関総署は商務部と「商務部など9部門による越境電子商取引(以下、「越境EC」という)輸出の拡大と海外倉庫建設の推進に関する意見」を発表し、越境EC輸出事業に係る監督管理方法の最適化に向ける一連の政策措置を打ち出した。その中には、税関の業務に係る内容として、越境EC輸出業者の混載貨物輸送に関する「検査後荷積み」方法の普及、越境EC小売商品輸出後の管轄関税区を超えた返品に係る範囲の拡大に関する研究、情報化システム機能のさらなる改善などの措置が含まれている。
2024年11月25日、「越境EC輸出のさらなる推進に関する公告」(2024年第167号、以下「公告」という)は税関総署により正式に公表され、2024年12月15日から施行される。公告は越境EC輸出監督手続きの簡易化により、通関効率の向上と企業コストの削減を目指している。公告は4つの点で越境EC輸出事業に関する監督措置を最適化している。主な内容は以下の通りである。
1.越境EC輸出に係る海外倉庫の登録手続きを廃止すること。
2.輸出書類に関する申告手続きを簡易化し、領収書の電子情報を送信する必要ないとすること。
3.混載貨物輸送に関する「検査後荷積み」方法の試行範囲を拡大すること。
上海、杭州、広州税関等を含む全12地の直属税関で、越境EC輸出貨物がバラ積み貨物として税関検査作業場に搬入され、税関による事前検査を行われた後、実際のニーズに応じて自由に混載・積載することが可能になる。
4.越境EC小売商品輸出後の管轄関税区を超えた返品手続に係る監督管理方法を普及させること。
北京、天津、大連、ハルビン、上海税関等を含む全20地の直属税関で試行し、越境EC小売商品輸出(9610モデル)に係る返品は他の直属税関で処理できるものとし、返品先は越境EC小売商品輸出業務を展開する税関検査作業場とする。