「最高人民法院による外貨および香港・マカオ・台湾通貨の遅延利息の計算基準に関する回答」
2024年11月25日、「最高人民法院による外貨および香港・マカオ・台湾通貨の遅延利息の計算基準に関する回答」(以下「回答」という)は最高人民法院審判委員会第1933回会議により審議・可決された。「回答」は2025年2月13日から施行する。
「回答」は、外貨の遅延利息の計算基準について明確な規定を設け、具体的な内容は以下の通りである。
1. 当事者は期限切れの支払に基づき利息の損失を主張し、遅延利息の計算基準に関する合意がある場合、当事者間の合意に従うものとする。ただし、双方の合意した利率が、紛争に適用される準拠法により定められた上限額を超える場合、その超過部分は認められないものとする。
2. 当事者間で合意がない、または合意が不明である場合、下記の方法で利率の計算基準を決定する。
· 米ドルの遅延利息の計算基準について:中国人民銀行の公式サイトで定期的に公表された「中国貨幣政策の執行報告」の付表に記載された3カ月以内・3カ月(含む)~6カ月・6カ月(含む)~12カ月・1年・1年以上の米ドルローン平均金利を参考に、人民法院が事件の具体的な状況に応じて確定する。
· ユーロ・ポンド・日本円・豪ドル・スイスフラン・カナダドル・ニュージーランドドル・シンガポールドルの遅延利息の計算基準については、それぞれ以下の指標を参考に確定する。
o ユーロ:欧州銀行間取引金利(EURIBOR)
o ポンド:ポンド翌日物平均金利(SONIA)
o 日本円:無担保コール翌日物金利(TONA)
o 豪ドル:オーストラリア銀行間取引金利(BBSW)
o スイスフラン:スイス翌日物金利(SARON)
o カナダドル:カナダ翌日物レポ平均金利(CORRA)
o ニュージーランドドル:ニュージーランドドル銀行手形金利(BKBM)
o シンガポールドル:シンガポールドル無担保翌日物金利(SORA)
· その他の外貨の遅延利息の計算基準について:当該国の中央銀行公式サイトにより公表された当該通貨の基準レートを参考に確定することができる。
3. 香港ドル・マカオパタカ・新台湾ドルの遅延利息の計算基準について:当事者間の合意がある場合は、その合意に従うものとする。合意がない、または合意が不明である場合、以下の金利を参考に確定する。
· 香港ドル:香港銀行間取引金利
· マカオパタカ:マカオパタカ総合金利
· 新台湾ドル:新台湾ドル基本貸出金利