「中国(北京)自由貿易試験区データ域外移転ネガティブリスト管理弁法(試行)」および「中国(北京)自由貿易試験区データ域外移転管理リスト(ネガティブリスト)2024年版」
データ域外移転を規制するために、2024年3月22日、国家インターネット情報弁公室は「データ域外流通を促進・規範化する規定」を発表し、自由貿易試験区がデータ域外移転ネガティブリストを独自に策定することを認めた。これに基づき、8月30日、北京市インターネット情報弁公室等は「中国(北京)自由貿易試験区データ域外移転ネガティブリスト管理弁法(試行)」(以下、「管理弁法」という)および「中国(北京)自由貿易試験区データ域外移転管理リスト(ネガティブリスト)2024年版」(以下、「ネガティブリスト」という)を制定した。データ域外移転の安全性評価に合格する必要があるデータのリスト、個人情報域外移転標準契約書の届出に合格する必要があるデータのリスト、個人情報保護の認証に合格する必要があるデータのリスト、およびその他の合法的なルートで域外移転の必要があるデータのリストを決定した。
管理弁法では、13種類41項目のデータの分類・等級付けの参考規則を提案している。工業カテゴリーを例にとると、電子情報(具体的には、基本電子情報の製品数値データ、ソースコード、集成回路レイアウトなどのデータ、製品テストデータ、国防、軍事、政府などの分野に向けの製品の販売とサービスに関する状況など)、工業設備(具体的には、工業設備の研究開発、応用、生産、販売、運用と保守、管理データ)、インテリジェントネットワーク搭載車(具体的には、自動車の主要部品の研究開発と生産に係るデータ、インテリジェントネットワーク搭載車の自動運転モデルの研究開発と生産に係る訓練データなど)およびその他のサブカテゴリーが含まれる。健康・食品・医薬品カテゴリーには、例えば、遺伝資源(遺伝データ等を含む)、健康医療(医療サービス、電子カルテ、電子健康記録、医学研究等の各種データを含む)等のサブカテゴリーが含まれる。
ネガティブリストでは、自動車、製薬、小売、民間航空、人工知能の5つの分野で、合計23のシーンと198件の具体的事例が挙げられている。製薬業界を例にとると、データ域外移転安全性評価に合格する必要があるデータには、一定規模以上のグループに対する臨床試験、医薬品開発と治療サービス等に関わるデータが含まれる。個人情報域外移転標準契約書や個人情報保護の認証が必要とされるデータには、1万人以上5万人未満を対象とする臨床試験や医薬品の研究開発が含まれる。遺伝子情報および特定遺伝子データは、他の法令遵守ルート(行政許認可および届出)を通じて域外移転を行う必要がある。