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ホームページ > 論文/書籍 > 法律考察 > 『危害税収徴収管理刑事事件の処理における法律適用の若干問題に関する解釈』

『危害税収徴収管理刑事事件の処理における法律適用の若干問題に関する解釈』

 2024-03-30157
[要約]税に関連する犯成罪の構要件、刑事罰の明確化

概 要

中国刑法では、税に関連する犯罪について、脱税罪、増値税専用発票の虚偽発行罪、インボイス虚偽発行罪等、計14個規定されている。税に関連する犯罪の犯行手段が増加し、一部の犯罪に対する構成要件及び量刑基準が20年以上前に定められている刑法規定に止まっていることを踏まえ、2024318日、最高人民法院及び最高人民検察院は、『危害税収徴収管理刑事事件の処理における法律適用の若干問題に関する解釈』(以下、「解釈」という)を公布し、税に関連する犯罪の法律適用問題について明確化した。解釈は、2024320日により施行される。

解釈は、刑法各則第三章第六節の徴税管理に危害を及ぼす犯罪の項目下の14個犯罪の構成要件及び量刑基準について定めている。一部の犯罪の構成要件及び量刑基準が調整された(例えば脱税罪の構成要件および量刑における金額の引き上げ)。また、解釈は、偽造、違法売買、虚偽発行などインボイスに関連する犯罪の構成要件及び量刑基準を明確にしている。解釈は、関連する犯罪の理解を明らかにし、増値税専用発票の虚偽発行罪の構成要件について限定している。インボイスを税額控除に使用する目的で虚偽に発行する行為のみが犯罪行為に該当し、業績詐称、融資、借金などの目的での虚偽発行が犯罪の範囲から除外される。

実務上、虚偽の課税ベースを捏造することによる脱税事件が頻発している。とりわけエンターテインメント等領域では、「陰陽契約」を締結して所得や財産を隠匿したり、他人の名義で所得や財産を分散させたりする形等での脱税が近年何件も発生している。このような脱税行為について、解釈は初めて「陰陽契約」の締結を脱税方法の一つとして定め、また、源泉徴収義務者の法的責任を強化した。

解釈第6条では、様々な脱税行為が列挙され、刑事犯罪とされている。これらの行為には、正当な債権の放棄、無償での財産の譲渡、明らかに不当な価格での取引、財産の隠匿、納税義務の不履行、税務当局の監督からの離脱、その他の手段による財産の譲渡や隠匿が含まれる。企業にとって、納税請求の実現に影響を及ぼす税金の未納・滞納があった場合、減資、出資金の譲渡、財産の不適切な処分の犯罪リスクが著しく高まっている。


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