「上海市浦東新区における保税修理業務の発展の促進に関する規定」
保税修理業務とは、税関特殊監督管理区内で行うことができる保税機能の一つで、企業が、部品破損、機能不良、品質不良などの問題がある国外の製品を保税方式で搬入し修理・検査等を行い再輸出するビジネスモデルである。保税修理分野において全国初の地方規則として、「上海市浦東新区における保税修理業務発展の促進に関する規定」(以下、「規定」という)は、2024年11月28日に上海市第16期人民代表大会常務委員会第17回会議で可決された。規定は、2025年1月1日から施行される。
「規定」は計20条からなり、主な取り組みは以下のとおりである。
1.業務範囲の拡大
2024年2月29日、商務部、生態環境部、税関総署による「第三期総合保税区における修理製品リストの公布に関する公告」(商務部2024年第7号公告)により拡大された実施区域および種類に加えて、税関特別監督管理区域内の関連企業は、一部リスト以外の医療設備、航空機等の大型設備や電子情報処理設備に対して保税修理業務を試験的に実施できるとする。
2.業務申請要件と手続きの明確化
規定は、生産場所、事業内容、生産資質や技術者などの申請要件を例として、具体的な基準を定めており、申請手続きにつきルールも定めている。
3.環境保護に関する企業責任の強化
規定は、企業が固形廃棄物の量を減らし、合法的に廃棄物を申告・処理する義務を負うと定めている。その上、企業の生態環境に係る重大な違法行為や密輸行為等が発見された場合、政府が法に従って企業の責任を追及し、強制退出の手続きを適時に行うことも定めている。